実験
今回は試験管を1本の髪の毛に見立てて実験をしてみましょう。
髪の毛自体は無色透明です。
僕たちの髪の毛が黒いのはメラニン色素の影響です。
髪の色(明るさ)に見立てたものを用意
(左から:黒髪・茶髪・金髪・白髪)
正確にはヘアカラー時と異なる部分はありますが、あくまでわかりやすく色の表現しております。
(通常ヘアカラーはメラニン色素を削りながら(明るくしながら)、同時に色味を入れていきます。)
アッシュに染めよう
それぞれをアッシュ(青)に染めます。
注射器じゃないですよ。僕は危ない人ではありません。
するとどうでしょう、、、
- 黒髪・・・青味がわかりづらい。
- 茶髪・・・青味がわかりづらい。
- 金髪・・・緑になる。
- 白髪・・・青味が薄くなる。
傾向と対策
- 黒髪・・・まずベースを明るくする必要性があります。
- 茶髪・・・赤味にそのまま青を入れても青はきれいに出ません。ベースを明るくする、もしくは、赤味に負けないくらい青味を深く入れます。
- 金髪・・・黄色に青を足すと緑になります。青にするためには他色を補います。
- 白髪・・・青味が薄くなります。しっかり染まらない、いわゆる浮くという現象です。白髪染めとファッションカラーでは、染まりづらい白髪をしっかり染めるため、薬剤の色味の配合が違います。
今回はこの中の2つ、金髪と茶髪に注目してアッシュにしてみましょう。
金髪に補色の効果を使って、アッシュに染めてみよう
黄色の補色、紫を投入します。
そこに青を足すと、
緑にならずに青味が出ました。
補色の効果です。
補色の効果とは?
反対色に位置する色を混ぜることで、無彩色(白〜灰色〜黒)となる。
分かりやすく言うと、2つの色を混ぜることで互いの個性を消してくすませる(色味をなくす)。
紫を入れることで、黄色味を消し、青味を引き立たせます。
ブリーチ毛にアッシュを入れたら緑になった。抜けてきたら苔みたいな色になった。
ブリーチあるあるです。
茶髪に補色の効果を使って、アッシュに染めてみよう
次は赤味のある茶髪に青味を出しましょう。
赤の補色は緑。
写真では分かりづらいですが、灰色っぽくくすみました。
青を混ぜると濃いブルーになりました。
色を濃く深く足すほど色は濁り、透明感を失います。
暗くても透明感のあるアッシュを作り出すには、ベースを明るくする(赤味・メラニンを削る)必要があります。
まとめ
希望の色味にするために、色の足し算、引き算をしてみました。
メイクでもシミや赤味などを抑えるためにコンシーラーなどで補正するのも補色の効果です。
今回の実験は、色味と補色に着目してみましたが、
通常ヘアカラーは、色味・明るさ(明度)・あざやかさ(彩度)の3つ(色の三属性)を考え、その上でベースの色、髪の特徴を判断して染めます。
色の計算は面白い!