ヘアスタイルやヘアカラーの名称で形容される外国人風〇〇というワード。
外国人風カラー。外国人風パーマ。外国人風アレンジ。
おおよそ欧米系(白色人種)のイメージを指しますが、
欧米系(白色人種)の髪と日本人(黄色人種)の髪は何が違うのか掘り下げてみましょう。
髪色
毛髪の色はメラニン(色素)によるものです。
メラニンには、黒~茶褐色のユーメラニンと、赤褐色~黄色のフェオメラニンの2種類があります。ほぼ全ての人種はこれらの2種類の色素を混合して持っています。
ユーメラニン・・・色の濃淡(明るさ・暗さ)を左右します。
〈ユーメラニンが多ければ毛髪の色は黒色に近くなる〉(日本人)
フェオメラニン・・・黄色味・赤味(色味)を左右します。
〈フェオメラニンが多ければ暖色に近づいていく〉(欧米人)
フェオメラニンは赤褐色の色素ですが、濃度が低いと黄色や象牙色になっていきます。
毛髪の黄色味・赤味は同じ色素によるものです。
毛髪の色は、地域や民族によって様々な違いがあり、黒髪はモンゴロイド・ネグロイド・オーストラロイド・コーカソイド(四大人種)に共通している。栗毛・金髪・赤毛などの比較的淡い色の毛髪はコーカソイドに多く見られる。また栗毛はモンゴロイドにも見られ、金髪・赤毛はオーストラロイドにも見られることがある。同じ民族の間でも毛髪の色には明確な個人差がある。
引用元:シラガペディア
天然のブロンドは全人類の約2%に満たないといわれています。
欧米人の金髪もカラーリングによることがほとんどということですね。
同じ黒髪でも人種や個人でユーメラニンの数に差があります。
欧米人がブリーチ1回で出来るカラーでも、日本人だと2回、3回とやらなければならないのはメラニンの数と割合が違うためです。
(薬事法によって使える薬の強さの違いもありますが)
髪が黒いほど金髪にするのにはダメージと無理が髪に生じるわけです。
毛の構造
太さ
欧米人女性の平均・・・0,05mm
日本人女性の平均・・・0,08mm(細い人で0,05mm~太い人で0,15mm)
欧米人に比べ日本人の髪は約1.5倍太いのです。
量(本数)
欧米人・・・約15万本(頭皮1平方cmあたり約400本)
日本人・・・約10万本(頭皮1平方cmあたり約250本)
実は、欧米人の方が約1.5倍も量が多いのです。
日本人の方が量は少ないけど、毛が太いということですね。
形状
欧米人の毛の断面・・・楕円形
日本人の毛の断面・・・円形(約90%は直毛、部分的なクセがある人は約70%)
クセの大きな原因は毛穴の形です。
欧米人は押しつぶされたような楕円形の毛穴をしている人が多いためウェーブがかかっています。
日本人は円形に近い毛穴をしている人が多い民族です。
キューティクルの厚さと枚数
欧米人>日本人
髪の表面部分で鱗状の竹の子の皮や瓦屋根のように重なっているキューティクル。
髪の艶を司る部分です。
外部からの刺激に対して髪内部を守り、内部成分や水分の流出を防いでいます。
ちなみに健康な髪の毛は約12%水分を保有しています。
欧米人は髪が細くてもキューティクルによって丈夫なため日本人と比べると、
薬剤のダメージを受けにくいです。
ケラチンの量
欧米人<日本人
髪の内部(コルテックス)は、繊維状のケラチンタンパク質の集合体で、弾力性に富み、内部(コルテックス)の状態によって、毛髪の太さ、硬さ、強さなどに影響を与えます。
日本人はケラチンタンパク質の量が多いため欧米人と比べると、
ハリやコシが強く、太さと硬さがあります。
まとめ【外国人の髪と日本人の髪の違い】
メラニン・・・欧米人<日本人→黒髪
太さ・・・欧米人<日本人
量(本数)・・・欧米人>日本人
キューティクル(厚さと枚数)・・・欧米人>日本人→痛みやすい
ケラチン・・・欧米人<日本人→太く硬い
欧米人→クセ毛 日本人→直毛(部分的なクセありは7割)
太く硬さがあり、痛みやすく黒髪で重く見えがちな毛質の日本人は
細く柔らかく、艶と透明感のある毛質の欧米人に憧れるものです。
柔らかさはカットで質感を作ったり、直毛であればパーマをかけたり。
透明感はカラーでメラニンを削りながら赤味、オレンジ味をコントロール。
痛みやすく艶を損ないやすい毛質には、なるべく傷ませないケアを。
でもです
日本人の髪は美しいと評される毛質でもあります。
生まれ持ったものを生かしたスタイルも素敵ですよね。
外国人風のご参考に。